About us
Philosophy
通信手段に事欠かない現代において、手紙には単に伝達する以上の意義があると思います。例えば過去にもらった手紙を押入で見つけたとき、まるで化石を発掘したような不思議な感覚になります。化石を調べることで太古に生きた恐竜の存在が確かなものだと考えられるのと似て、手紙を読むことで、その筆跡から、手触りから、手紙が書かれた時点が確かにあったと信じられる。
〈その時は在った。その人は在る。いなくなっても在る。〉
手紙は伝えることよりも、まず書かれて存在することのほうにその役割の力点があると考えます。言い換えれば、手紙の第一の意義とは、言葉を通してみた自分というものに存在をあたえることなのだと思います。
そういう視点を得たとき、土台となる手紙文具がどのような道具であるべきか、どのようなデザインであるべきか、先入観を排して捉え直し、新しく提案することが、わたしたちの行っている仕事です。
Team
菊田 ひとみ(プロデューサー)、堀 太誌(デザイナー)